相続や離婚、夫婦・親子での共同購入などで生じる「共有名義」の不動産。「自分の持分だけ手放したい」という方は少なくありません。本記事では、共有持分のみを売却する方法と、知っておくべきトラブル・注意点、円満に解消するための進め方までを整理します。

共有持分とは

共有持分とは、1つの不動産を複数人で所有しているときの、各人の所有権の割合のことです(例:兄弟2人で1/2ずつ)。共有名義の不動産には、次の2種類の「売却」があります。

  • 不動産全体の売却:共有者全員の同意が必要
  • 自分の持分のみの売却他の共有者の同意は不要

自分の持分だけなら同意なく売却できる(民法206条)

民法第206条は「所有者は、法令の制限内で自由にその所有物を使用・収益・処分できる」と定めています。共有持分も所有権の一種であるため、自分の持分は、他の共有者の同意を得ずに、いつでも第三者へ売却できます。一方で、共有物“全体”の売却・大規模な変更には全員の同意が必要です。

共有持分の主な売却先

1. 他の共有者に売る(最も円満)

もっとも円満なのは、他の共有者に自分の持分を買い取ってもらう方法です。相手は単独所有に近づくメリットがあり、関係も円満に解消しやすく、価格も第三者へ売るより有利になりやすいです。

2. 共有持分の専門買取業者に売る

他の共有者と話が進まない・関わりたくない場合は、持分専門の買取業者へ売却できます。同意なしで現金化できますが、価格や売却先の選び方には注意が必要です(後述)。

3. 共有者全員で「全体」を売る

全員の合意が取れるなら、不動産全体を売却して代金を持分割合で分けるのが、最も高く売れて後腐れのない方法です。

持分のみの売却で知っておくべきトラブル・注意点

持分のみは価格が下がりやすい

持分だけを買っても、単独では自由に使えない(他の共有者がいる)ため、持分のみの売却価格は、全体を売る場合に比べて低くなる傾向があります。

共有物分割請求のリスク

各共有者は、民法第258条に基づきいつでも「共有物分割請求」ができます。第三者(買取業者など)が持分を取得した後、共有関係の解消を求めて分割請求や訴訟に発展することもあります。分割の方法には、現物分割・代償分割(価格賠償)・換価分割(売却して分配)があります。訴訟になると時間・費用・精神的負担が大きくなります。

残った共有者との関係

見ず知らずの第三者が共有者になることで、他の共有者とトラブルになるケースがあります。可能であれば、売却前に共有者間で方針を話し合うのが理想です。

円満に解消するための進め方

  1. まずは他の共有者との売買・買い取りを検討する
  2. 難しければ、共有者全員での全体売却を提案する
  3. それも難しい場合に、持分の売却を検討する
  4. 相続が絡む場合は、遺産分割や相続登記の状況も併せて整理する

相続で共有になった場合の注意

相続した不動産を相続人で共有しているケースは非常に多く、放置すると次の相続でさらに共有者が増えて複雑化します。早めに方針(売却・分割・単独取得)を決めることが、トラブル回避につながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 他の共有者に内緒で売れますか?

A. 法律上は同意不要で売却できますが、第三者が共有者になることで関係が悪化するおそれがあります。可能な限り事前の話し合いをおすすめします。

Q. 持分はいくらで売れますか?

A. 全体価格×持分割合がそのまま手に入るわけではなく、持分のみは評価が下がる傾向です。まずはAI査定・個別査定で目安を確認しましょう。

Q. 共有を解消する一番良い方法は?

A. ケースによりますが、共有者全員で全体を売却して分配するのが、最も高く・円満なことが多いです。

まとめ

共有持分は、自分の分だけなら同意なく売却できます。ただし価格やトラブルの観点では、まず共有者間での解決を探り、難しい場合に持分売却を検討するのが安全です。リアサテでは共有持分のご相談にも対応しています。まずはAI査定で価格の目安を確認し、複雑な権利関係はそのままAIチャットや担当者にご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の権利関係・税務・法律の判断は、弁護士・税理士等の専門家や当社担当者へご確認ください。